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10分後20%とした。

試験結果を表3−10に示す。

表3−10 航空機散布用油処理剤の乳化性能(MDPC法)

試  作  油  処  理   剤 J-1 J-2 J-3 J-4 J-5 J-6 J-7 J-8 J-9 S-5
油種 カフジ原油 (蒸発率30%)

10分後の乳化率%

66 64 70 59 56 75 72 55 72 60
C重油(5,300cSt(21℃))

10分後の乳化率%

66 39 27 68 60 50 66 39 65 55
毒性 1,500ppm                        死亡個体数(試験個体数10尾)尾 10 10 10 10 10 10 10 - - -
750ppm                       死亡個体数(試験個体数10尾)尾 10 10 10 10 10 10 10 - - -

・上表の右欄に単品の界面活性剤S−5の乳化率を参考に掲げた。複合した界面活性剤の乳化性能値は、基準値をすべて上回るものとなった。

S−5の乳化率と比較すると、対カフジ原油では、J−1、J−2、J−3、J−6、J−7及びJ−9の6種がS−5を上回り、対C重油では、J−1、J−4、J−5、J−7及びJ−9の5種がS−5を上回った。

・毒性試験は、試作油処理剤J−1、J−2、J−3、J−4、J−5、J−6及びJ−7について実施したが、添加量750ppmでヒメダカ試験個体(10尾)がすべて死亡した。この原因を分析したところ、ある界面活性剤が共通して配合されており、毒性が若干高いことが分かった。このため、配合比を変えることや新たな界面活性剤を選定することが、今後の課題として残った。また、溶剤として使用した両親媒性溶剤についても毒性に関して調査・検討することとした

以上の結果から、単品の界面活性剤と複合した溶剤の組み合わせとして試作したS−5は、複合した界面活性剤に比べて若干乳化性能は劣るが、上述の毒性の高い界面活性剤は含まれておらず、有望であり、今後、毒性試験を実施して、航空機散布用油処理剤の試作品を完成させることとする。

 

 

 

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